​挨拶

 2010年から活動していた学生はもうすでに社会人となり、現在は27名の学生が活動しています。先輩たちの想いを受け継ぎながら、プノン村・フィリピンの貧困課題への新しいアプローチの仕方を模索し続けています。フィリピンでの現地活動をはじめ、協働団体との協力や地域住民との交流を目的とした国内活動まで、ISRの活動範囲は徐々に広がりつつあります。

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 みなさま、こんにちは。

 ISR -ConnActionの顧問をしております小早川裕子です。

 皆さんに一つ質問してみようと思います。皆さんは、スラムで生活している人々に対してどのようなイメージを抱くでしょうか?「劣悪な環境下で仕事もなく、十分な食べ物もない荒んだ生活をしている」と想像されるかもしれません。実は、私がそう考えていたのです。大学院生だった当時の私は貧困に関する講義を受け、専門書や論文を読みあさり、貧困やスラム生活者の事を分かったつもりでいました。ところが、実際スラムコミュニティの調査に入ってみると、頭でっかちになっていた私は衝撃を受けました。私の想像とは全く違う世界がそこにあったのです。コミュニティは溢れるエネルギーで漲っていました。路上で洗濯をしながら大笑いする女性たち。ボクシングのチャンピオンシップを一緒に見ようとテレビのある家に集まった男たち。家の中には収まりきらず、窓越しからも応援している。そして、あちらこちら走り回る数えきれない子供たち。彼らの目はキラキラ輝いていました。そんな光景を目のあたりにして、より深刻なのは、経済的に豊かでも疲れ切っている東京住民の方ではないかと感じました。スラムにあって、東京にないのはなんでしょう。それはコミュニティ力です。隣近所と活発な交流。自分の子供も近所の子供も分け隔てなく扱う親たち。このコミュニティが東京にあったら、どんな素敵な場所になるだろうと心から思いました。エネルギーが溢れるほどのコミュニティ力がどのように培われるのかが、私のスラムコミュニティの研究テーマとなり、激変する今世にあって私の生涯の研究となりました。

 ISR(Individual Social Responsibility)-ConnActionはフィリピンの貧困地域や台風で被災した地域などを「支援する」という名目で活動してきましたが、実際は、「学ばせてもらう」活動をしてきたのです。ISR-ConnActionメンバーになる学生たちは従来、自分に自信がなく、何をしたいか分からない、英語もままならない学生がほとんどでした。その学生たちが、学年が上がるごとに自信を持ち、したいことを見つけ、英語力もあげていくのです。「トビタテ留学」という文科省の留学プログラムがありますが、人気が高く選ばれるのは困難です。ですが、ISR-ConnActionから多くのトビタテ生を排出しています。自分たちより恵まれない地域でたくましく生きている人々を知り、自分が甘えてきた過去や自分が望めば夢を実現できる可能性にISRメンバーは目覚めるのでしょう。そんな「学びの場」があるISRは幸運でした。

 そんなミラクルを起こしてきた「学びの場」をCOVID-19感染で失いました。2020年に入学した学生は、ISRに入ってフィリピンで活動することを夢見ていましたが、叶えられないまま1年が過ぎてしまいました。ですが、ISR-ConnActionとサークル名が示すように、「行動を起こすことで人々をつなげ、より良い社会形成を実践していく」メンバーは思いついたのです。「学びの場」は日本にもあると。ISRが海外で培ってきた経験を、日本で活かしていこうと。そして、その「学びの場」は、東洋大学が存在する白山です。これまでISR-ConnActiongフィリピンで学んできた「コミュニティ力」の素晴らしさを白山にもたらす活動です。白山住民と学生が、あちらこちらで挨拶をし、地域のお祭りを一緒に盛り上げ、地域の諸問題を一緒に考え解消していく白山は外からやって来る人々を驚かせ魅了することでしょう。そんな地域づくりを目指して、ISR-ConnActionは起動しました。

​さあて、白山は賑やかになっていきますよ。お楽しみに!

ISR-ConnAction顧問:小早川裕子(東洋大学国際教育センター准教授)

 ISR-ConnAction(以下ISR)は、『やさしい社会を創るために行動を起こしてつなげる』と言う理念のもと、日本国内やフィリピン、バングラデシュで様々な活動を行ってきました。2013年にフィリピンで発生した台風ヨランダをきっかけに発足した団体がISRの起源となり、意思が継がれ現在(2021年)まで活動を続けて今年で8年目になります。

 2020年から新型コロナウィルスが流行し始めたことで、サークル活動が制限されてしまい、自分たちの思うように活動することができませんでした。毎年恒例の春夏のフィリピン渡航や白山祭などのすべてのサークルイベントがなくなり非常にさみしい1年になりましたがオンラインでのミーティングを定期的に行い、コロナ禍だから何もしないのではなく、コロナ禍だからこそできることがあるのではないかと考え、様々な活動に挑戦してきました。具体的には、フィリピンの人々に向けたメッセージ(画像)や白山にあるカフェとのオンラインミーティング・交流などです。これまではフィリピンでの活動を主に行なってきましたが昨年からは東洋大学がある白山地域での活動を中心に行い、東洋大学と白山地域を繋げられるように活動してきました。以前の活動とは異なりますが、理念は変わらず違うかたちでISRとして動いています。


 地域の方々、ISRの活動に協力してくださっている企業、OBOGの先輩方など多くの方々に支えられて今のISRがあります。今後もISRらしく活動していきたいと思っております。新型コロナウィルス終息の目処が立っておらず、直接ISRの活動を知ってもらえる機会がいつあるのか分かりませんが、その時が来るまでは、このホームページやSNS等を使い、随時活動を報告していきたいと思いますので、今後もISRに興味を持っていただけたら幸いです。

ISR-ConnAction 代表:門脇優衣

  東洋大学 国際学部 国際地域学科3年

​顧問・代表からの挨拶

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